演出家・浅利慶太
1933年3月16日生まれ 東京都出身
劇団四季創立メンバー
築地小劇場の設立に参画した浅利鶴雄を父に、二代目市川左團次を大叔父に持つ。学生時代、劇作家の加藤道夫氏との出会いによって、演劇の道に進む。 慶応義塾大学仏文科在学中の1953年7月14日、日下武史ら10名で劇団四季を結成。主に、ジャン・アヌイやジャン・ジロドゥなどのフランス文学作品を上演。文化の一極集中排除を目指し、創立間もない時期から劇団員全員で全国各地を巡り、地道な動員・公演を展開。演劇を通じて“人生の感動”と“生きることの素晴らしさ”を伝え続け、全国に多くの演劇ファンを増やした。 |
撮影:山之上雅信 |
1969年代々木稽古場 撮影:毎日新聞
『ウェストサイド物語』、『コーラスライン』、『ライオンキング』など海外作品の翻訳上演、『夢から醒めた夢』、『ユタと不思議な仲間たち』、「昭和の歴史三部作(『ミュージカル李香蘭』/『ミュージカル異国の丘』/『ミュージカル南十字星』)」等のオリジナルミュージカルを手掛け、日本にミュージカル文化を定着させた。また、1983年初演の『キャッツ』では初のコンピューターによるチケット販売システムを導入。日本初のロングラン公演を成功させるなど、日本演劇界の興行形態を変革させた。
劇団外の活動としては、ミラノ・スカラ座の『蝶々夫人』をはじめ、『エレクトラ』、『トゥーランドット』等のオペラの演出を手掛け、国際的に評価を得る。1998年には、長野冬季オリンピック開閉会式のプロデュース・演出も務めた。
また長年、社会貢献活動にも尽力し、近年では、全国規模の児童招待事業「こころの劇場」や小学校などへ直接訪問して行う授業『美しい日本語の話し方教室』に取り組んできた。
2014年、長年代表を務めていた劇団四季(四季株式会社)を退き、演劇活動の拠点を浅利演出事務所に移す。2015年4月に浅利慶太プロデュース公演第1弾となる『オンディーヌ』を上演。常にお客様が喜んで下さる作品選びと、丁寧な芝居作りを信条に、年3~4本ペースで公演を行い、最後まで現役演出家であり続けた。2018年4月『ミュージカル李香蘭』が最後の演出作品となる。
2018年7月13日、85歳にて永眠。
■ 主な受賞歴 ■
紀伊国屋演劇賞、菊池寛賞、読売演劇大賞、ドイツ連邦共和国一等功労勲章、イタリア・アッビアーティ賞、中国政府友誼賞他、国内外での受賞多数。
2016年代々木稽古場 撮影:有島 康