『李香蘭 私の半生』著者・藤原作弥さん稽古場来訪 2022.4.9

4月9日、『李香蘭 私の半生』(新潮社刊)の著者である藤原作弥さんをお迎えし、李香蘭こと山口淑子さんとの思い出や、当時の満州、そして戦後の引き揚げなど藤原さんの実体験を俳優たちへお話いただきました。

 

満州やアメリカを経験していたことから、李香蘭こと山口淑子さんとの共同執筆に白羽の矢が立った藤原さん。執筆にあたり山口さんと「最初の怖い思い出」を語り合った時のこと、山口さんが歴史を動かした事件のすぐ近くにいたこと、アイデンティティーに苦悩した二人のヨシコ――意図的だった川島芳子と“innocent(=純粋、無知、そして無罪)”だった山口淑子――、藤原さんのお話で、台本で描かれる李香蘭像が立体的になっていきます。

藤原さんは父親の仕事の関係で日本から北朝鮮そして満州へ渡り、小学校3年生の時に満州で終戦を迎えました。8月9日の午前0時、日ソ中立条約を破りソ連兵が攻め込んできたときのこと、命からがら町を脱出したときのこと――辿りついた安東の町で、引き揚げまで1年を過ごしたと言います。アパートの1室での6人家族での暮らし、父が勤めた古本屋が実は日本人たちの情報連絡拠点だった話、強盗、殺人、婦女暴行、あらゆる犯罪を目撃した話、銃殺刑を目撃して気絶した話——。77年前の出来事とは思えないほど詳細に語られる衝撃的な話に、俳優たちは身を乗り出して耳を傾けました。

 

「満州から生きて帰ったことに“後ろめたさ”を感じたこともあった。でもその後、戦争の語り部としての役割を果たそうと思った。山口さんも浅利さんも他界したけれど、ミュージカルの形で語り継がれる。大勢に見てもらえるのは貴重なこと。感謝しています。」

藤原さんからのお言葉を胸に、俳優スタッフ一同身の引き締まる思いで稽古に臨む決意を新たにしました。




 
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